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皆さんは日本三景松島の隣に位置する塩竈市はご存じでしょうか?
東北で最も大きいといわれる鹽竈神社(しおがまじんじゃ)を有するこの街は、近年カフェやジェラート屋さんなど新たなおしゃれスポットが増えてきて盛り上がりを見せています。
今回はその中でも、建物が市指定文化財の塩竃市杉村惇美術館を、おすすめの作品や併設のカフェも併せてご紹介します!
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市の指定文化財:塩竃市杉村惇美術館の建物が素敵!
塩竃市杉村惇美術館は、昭和25年に建てられた昭和洋風建築の塩竃市公民館本町分室を改装し、2014年に新たにオープンした公民館を併設する美術館です。
この建物の特徴は、歴史があるということだけでなく、その作りも珍しいというのがあげられます。
特にこの施設の顔といえる大講堂は、「木骨編板(集成材)構造」という逆さ懸垂曲線の珍しい作りをしています。
内観のその美しさに加えてよく音が響くので、過去に様々なアーティストや劇団がこの大講堂を会場としても利用しています。
また建物の外壁などに、今では採掘されていない塩竃石を使用しているのも特徴です。
1階は一般の人が利用できる公民館、2階が美術館という構造になっていますが、2階にあるサロン(フリースペース)の雰囲気も抜群なんです!
歴史を感じさせるレトロモダンな室内から、かつて歌枕として使われた「千賀の浦」(塩竃湾)を望むことができるので、鑑賞の間のちょっとした小休止にいいですね。
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塩竃市杉村惇美術館のおすすめ作品
美術館の名前に付けられていることからお分かりになるように、こちらでは塩竃ゆかりの画家「杉村惇」の作品を常設展示しています。
生物学者ならぬ「静物学者」と敬愛された杉村惇は、数多くの静物画を世に残しましたが、そのうちの10数点をこの美術館で通年で見ることができます。
また静物画だけでなく風景画も所蔵されており、塩竈の海の風景を描いた「野々島‐柳の浜より外洋を望む」は私の最も好きな作品です。
東北でも有数の美術公募展「河北美術展」第1回目に出品し見事最優秀賞を受賞した、若き日の杉村惇の作品「婦人像」もこちらに飾られています。
展示室を進んでいくと、奥の一角に杉村のアトリエを再現したスペースがあります。
そちらでは実際にモチーフとして使われたランプや人形なども飾られており、制作当時の杉村に思いをはせながらより作品への理解が深まる仕掛けになっています。
塩竃市杉村惇美術館のカフェがおしゃれ!
美術館賞で少し疲れたら、1階にあるカフェ「塩竃本町談話室」でコーヒーブレイクはいかがですか?
こちらは松島で人気のカフェ「松華堂」や「le Roman」の系列店であり、レコードが流れるレトロで落ち着いた店内で、ハンドドリップコーヒーやちょっとしたお菓子を楽しむことができます。
松華堂ではカステラが有名ですが、こちらでは「フランスかりんと」というコーヒーにぴったりのスイーツが販売されています。
またドリンク自体もテイクアウト可能なので、珈琲片手に塩竈散策もいいですね。
室内にはチャーミングな犬の彫刻が展示され空間のアクセントになっていますが、この作品は塩竈にゆかりのある若手アーティストのものだそう。
施設全体に言えることですが、「昔」の名品だけでなく「今」を生きる若い作家たちのエネルギーもうまく取り込んで建物と調和させているのがなんとも見事ですね。
塩竈市杉村惇美術館は特別展がおもしろい!おすすめイベントをご紹介!塩竈市杉村惇美術館のおすすめ利用方法!アクセス・駐車場の情報もまとめてみた!塩竃市杉村惇美術館のまとめ
塩竃市杉村惇美術館は古くから人々の憩いの場になってきた公民館を、建物とその担ってきた役割自体の価値を認め大切にリノベーションされた公共施設です。
建物の中に入ってみれば、一見まあたらしいけども約70年もの蓄積された時間の重みを随所に感じることができます。
また歴史があるだけでなく、場所を活かしたカフェを併設し、特別展では若手アーティストの展示も企画するなど、公民館が前々から大切にしてきた文化活動を通しての交流の場の提供の役割を引き継いでいます。
蓄積された時間の足跡が残るこの建物で今を生きる人たちの営みが行われる、そんな過去と現在が交差する塩竈市杉村惇美術館にぜひ立ち寄ってみてください。