働き方改革で残業削減は実現するのか ~現場の現状~

数字の残業時間は減っても実質の残業時間はなくならない

2018年5月31日衆議院で可決された働き方改革関連法案。

法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度に批判が相次いでいます。

法律の文章はわかりにくくはありますが、やりようによっては会社はこの制度を使っていくらでも社員を使い倒すことができるようになるんだな、と私でも思いました。

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私が勤めている会社は親会社が上場していることもあり、法律等に合わせて(先駆けて)制度を導入しているところがあります。

私が入社した4年ほど前でもフレックス制度が導入されており、コアタイム(必ず会社に勤務する時間)の10:30~15:00に会社に居れば出勤したことになりますが、私の部署では業務の関係上ほとんど使うことができない現状です。

会社でも働き方改革を推進していますが、果たして私たちの残業を減らし、1人1人の生活に合った働き方をしていけるのか、私の部署の置かれている状況から考えてみました。

コアタイムを撤廃し、フルフレックス制に

来月7月から、会社ではテスト的にフルフレックスを導入することが決定し、今月社内での説明会が開催されています。

コアタイムは実に厄介でした。

朝子供が具合が悪いから病院に連れて行くと、混んでいるためとても10:30までに会社に行くことは無理でした。

そうなると午前は有給休暇を取って休むしかありません。

紹介状をもらってすぐに総合病院に行くことになった時は、お昼休み後の13:00からの仕事開始に間に合うはずもなく、午後は幽霊(会社にいるけどいない存在)になって仕事をするほかありませんでした。

その点フルフレックスになれば、コアタイムを気にすることなく会社に行って必要なだけ仕事をすれば良いので、いろいろな立場の人が働きやすくなります。

私も乳がんの手術後放射線治療が予定されていたので、フルフレックスになることを心待ちにしていました。

病理検査の結果全摘出手術を行うことになったので、放射線治療はなくなりましたが・・・

とはいえ、私がフレックスを使えるのは緊急なことがあった時だけです。

会社の始業は9:00からなのですが、電話対応が大きな割合を占める業務も担当しているため、その9:00には会社に居なければいけません。

そして当然電話の受付時間が終わるまでは拘束されます。

そういった業務に携わる人は、とてもフレックスを活用することができないのが現状です。

会社では在宅勤務もテスト的に幹部や一部社員に取り入れていますが、電話応対が多い職種の場合、在宅勤務を行うのは厳しいものがあります。

どんな理想的な制度が会社にあっても、業務内容に適さなければ使用されない絵に描いた餅なのです。

時短勤務制度はメンタルが強くないと使えない?

私のいる部署は業務量が多く、残業でカバーする体制が私が入社するずっと前から起こっていました。

システム化などの業務改善によってかなりの工数削減にはなりましたが、退職したり産休に入ったりする人がいても新たに人を雇うことがなく、今居る人数でなんとか仕事を回そうとしているので、結局残った人たちに業務を割り振り残業せざるを得ないのです。

人が減っても仕事が回っているので会社からも部署の評価は高くなりますが、そうなると余計に補充はできなくなるのです。

人を雇えないのは人材不足ということも一因にあります。

どうしてもある程度パソコンが使える人じゃないとこなせない業務なので、いざ雇おうと募集をしてもなかなか見つからないと上司は言っていました。

そういう部署に昨年度から時短勤務の人が異動してきました。

正社員の業務はシステム化による工数削減が難しい業務が多く、残業できないことで割り振れる業務は限られてしまいます。

そうは言っても正社員だから通常通りの業務量をこなし成果を出さないとボーナスの査定に響いてくるので、割り振らないわけにはいきません。

上司は、「他の人より少ない仕事量で評価されてボーナスを多くもらったら不公平だろう」と言います。

帰りたくても帰れなくて残業をしている身からすれば・・・確かにそう思ってしまいます。

そして何かあれば他人をフォローする立場である正社員が人よりも遅く来て早く帰る・・・みんな事情はわかっていても、何も思わないはずがありません。

きつい仕事をしていればしているほど、周りの人はその気持ちを隠せないでしょう。

法律でどんなに定めても、会社がその制度を用いても、現場の環境を整えなければ使いたくても使えない、使えば周りからの非難の的になる(私の部署の人たちが非難しているわけではありませんが、正直困ってはいます)のは、火を見るよりも明らかなのです。

法律や制度のために会社に導入せざるを得ない会社の立場もわからなくはありませんが、決めた以上は現場の環境をもっとよく見てほしいと思うのです。

現場の人間は毎日の業務が手一杯だから残業しているのですから・・・

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健康管理時間になってわからなくなった残業時間

昨年度から残業時間を健康管理時間で管理するようになりました。

私の勤める会社の勤務時間は9:00~17:30なので、労働時間は7時間半。

今までは17:30から残業時間をカウントしていましたが、残業代に影響しないものの、残業時間は8時間を超えた18:00からカウントするようになりました。

そうすると、計算上は30分残業時間を減らせることになります。

月の残業時間の上限を超えて働いている人は、上限未満に抑えられる場合が出てくるので、会社にとっては嬉しいことでしょう。

でも、裏を返せば毎日30分多く残業ができるようになったことにもなります。

ただでさえ今でも体調不良やうつ病などで長期の休みに入る人もいるのに、更にその人数が増えるのではないかと心配になります。

残業が多いとは言っても私はそこまでの残業はしないで済んでいるのでそれ程影響のない部分ですが、困っていることがあります。

勤怠を入力するソフトの残業時間表示が健康管理時間になってしまい、本来の残業時間が何時間なのかわからなくなってしまったのです。

自分で入力しているのだから間違えたら自分の責任なのですが・・・ちょっとどうでもいいことでした。

さて、始めにコアタイムに会社に居られない場合、私は幽霊として仕事をしていることを書きました。

月の残業時間の上限を超えることが判明すると、上司は何が何でも社員に有給休暇を取らせて残業時間を減らそうとします。

忙しいから残業しているのに休まなければいけない・・・そうなると、なんとか仕事を終わらせるためには、幽霊になって残業するしかありません。

しかし会社へは社員証のセキュリティカードで出入りしていて、出勤退勤時間は記録されています。

会社はサービス残業を防ぐこともあり、会社にいる時間と社員が申告している勤務時間をチェックしています。ほんの少しくらいなら指摘されることもないでしょうが、残業が多い人は常にチェックされているでしょう。

フルフレックスになれば、勤務時間内で休憩時間をどこにでもつけることができるようになります。

仕事をしていても休憩時間にしてしまえば、それもサービス残業になってきます。

それも限界が来れば社員は仕事を家に持ち帰るようになります。

在宅勤務ができる社員はパソコンを持ち帰っても会社のサーバーへアクセスできるので、仕事ができてしまいます。

会社はパソコンの使用状況もチェックしていますが、自宅での使用についてどの程度チェックするのか・・・

結局のところ、法律で厳しく定めても、真面目な社員はなんとか仕事をしようと頑張ってしまうのです。

それを管理してくれるのが上司の仕事のはずですが、上司自体も多くの仕事を抱えていてそこまで行き届かないのです。

上司の性格にも左右され、ほとんどの真面目な社員はボロボロになるまで働かざるを得ないでしょう。

これが、現場の現状なのです。

働き方改革関連法案は、現場の人間を追い詰める法になりかねない。

私はそう思えてなりません。

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